DX化のファーストステップを実現
事業機会創出を目指す

ミサワホーム株式会社

大手ハウスメーカー。一戸建注文住宅や分譲住宅、賃貸住宅、リフォーム、マンション、医療・介護施設・保育施設をはじめとしたまちづくりなど、さまざまな事業を総合的に手がけ、豊富な経験と技術、果敢なパイオニア精神を原動力に豊かな社会をデザインし続けています。

開発事業部 不動産投資課 開発設計・技術課 課長

橋本 雅史様

(写真左)

開発事業部 不動産投資課

木原 大輔様

(写真右)

ミサワホーム株式会社は1967年の創立以来、ゼロエネルギー住宅をはじめ世界初、業界初の先進的な技術開発に取り組む住宅業界のパイオニア。戸建住宅で長年培ってきた住まいづくりのノウハウを活かし、賃貸住宅、医療・介護施設・保育施設、商業施設開発などの事業も積極的に推進し、人とくらしに寄り添う住まいづくり・まちづくりを展開しています。そんなミサワホームでは開発事業部不動産投資課において、REMETISを導入。チームのDX化中核ツールに据えて、提案最適化による収益拡大に向けて加速しています。今回は導入において大きな役割を果たしたお二人を招いて、REMETISによるDX効果を語っていただきました。

課題

・Excelによる煩雑な物件登録が、業務負荷を高め生産性を阻害していた。
・スピーディかつ正確な情報共有が難しかった上、物件情報の取りこぼしがあり、事業機会の逸失に繋がっていた。

効果

・物件登録業務工数を80~90%削減
・取得した物件情報をタイムリーにチーム全員で共有
・全員がくまなく物件情報を詳細に共有することで精度の高い物件検討が可能に
・仲介会社とのコミュニケーションの質が向上

REMETIS導入前に抱えていた業務課題を教えてください。

木原

従来は物件管理にExcelを使っていたので、入力はもちろん、情報の活用にも大変な時間がかかっていました。担当者、取得日時、情報提供を受けた会社といった基本情報のほか、物件毎のアセットタイプや面積、キャップレート、賃料など入力項目は多岐に渡ります。手間がかかるため案件を入力する事自体を嫌がってやらない担当者もいました。また、入力はするものの抜け漏れがあるケースも多く、必要な情報がタイムリーに共有出来ず案件の取りこぼしや埋没が発生してしまうケースもありました。

橋本

だからと言って物件を正確かつ詳細に整理しようとすると、今度はそこに時間を割かれてしまうわけで、検討できる案件数に限りが出てしまうジレンマもありました。

木原

確かに時間的制約から、物件を深く検討するのが難しかった部分はありましたね。また情報共有の切り口で言うと、週1回のミーティングで具体的な案件を共有していましたが、ミーティングにどの案件を上げるかは担当者の判断なので、そこに上がってこない案件、例えば各人が検討中の物件までは中々分からないという状況もありました。

REMETISの導入を検討した経緯を教えてください。

橋本

入力作業を軽減できる点はもちろんですが、それよりもREMETISが業務プロセスを可視化できるツールである点に魅力を感じました。一回入力するだけで過去の物件情報が時系列でどんどん蓄積された上で、担当者やエリアごとの物件収集状況から現在の市況までがパッとわかるのが、非常に画期的だと思いました。

木原

物件管理がデータ化、デジタル化されることで、煩雑だった作業が劇的にシンプルになるばかりか、担当者同士の深い情報共有も容易に可能になる。さらに管理者目線でも物件管理の効率が非常に上がるのではとの期待があり、ぜひとも導入したいという流れになりました。

実際にREMETISを導入したことで、どのようなメリットがありましたか。

木原

現場の肌感覚ですが、物件登録に関しては大体8割から9割ぐらいは楽になったと感じています。それまでExcelで一件一件、住所から地積から様々な情報を入力していたのに対して、REMETISはタイトルを入力し、概要書をアップロードするだけで翌日の朝9時には全ての情報が埋まっています。誰がどういう物件情報を入手しているのかも即時に見える化されるので、情報共有の面でも劇的に進歩したと思っています。

橋本

蓄積した情報を Excel で出力することもできますし、各物件の地図もプリントスクリーンですぐに切り取りできるので、どういう物件なのか直感的にイメージしやすく、チーム全体で共有しやすくなった点も進歩した点だと思います。

木原

確かに地図とキャップレートが連動しているのは非常にいいですよね。どの物件がどれくらいの利回りなのかすぐに分かると、物件検討の精度も大いに上がり、より高い質の情報にアプローチしやすくなったと思います。個人的に賃料単価やキャップレートはビッグデータに近いと考えていて、REMETISならその相場が既にどういう数字で動いているのかをリアルタイムに把握し、仲介業者の担当者の方ともある程度知識が入っている状態で話ができます。

橋本

商談の質を高める効果があるのは確かですね。我々の場合、物件の取得や売却にあたってリスク管理も含めてきちんと精査しなければなりません。ところが仲介会社さんが提示してくるデータは、得てして当たり障りのないものが多く、正しい意思決定を下すには物足りないというのが現実でした。しかし、これまでは少なくとも1日、場合によっては一週間ぐらいかけて様々なサイトを調べなければならなかったのが、REMETISだと、一つ物件を登録すると、公開されている情報が瞬時にわかる。仮に仲介会社さんが、我々がREMETISで入手したデータと同様の情報を上げてきても、こちらとしては満足できなくなる。そうなると仲介会社さん側でも、もっと深掘りした情報を入手しようと努力してくださるようになります。双方の間にREMETISがあることで、本質的な情報のキャッチボールができるようになるのではと期待しています。

REMETISによるDX化の手応えと、REMETISに対する今後の期待を教えていただけますか。

橋本

IT化と異なり、DX化というのは最終的にワークスタイルの変化を通じてライフスタイルをどうやって変えていくかというところだと思いますので弊社の事業という視点で言えば、我々が手がけるまちづくりとDX化は親和性が非常に高いものだと考えています。我々の仕事という領域で見れば、DX化によって社員の業務効率は劇的に上がります。それはREMETISで大いに実感しました。そうなると仕事の濃度も変わってきますし、余暇の時間も増え、社員の職場環境自体が大きく変わってくるでしょう。現在はチームにおけるDX化の一歩を踏み出したばかりですが、今後グループ会社の不動産関連セクションにもREMETISを展開し、横断的に活用できるようになればいいと考えています。現在は価値の高い情報も単独の部署に閉じていて、次のステップではそこを改善していきたい。そうなると情報の横断化と言いながら、属人化していた情報が部署を超えて完全に共有されることになるので、感度の高い社員の気づきを誘発するきっかけになるのではと期待しています。「見送った案件も別の提案には使えるな」とか、そういう事業創出機会が結構増えるかなと感じています。

木原

REMETISはもともと不動産に詳しい方が立ち上げたシステムなので、大変使いやすい。DX化を推進するシステムやソフトはいろいろありますが、不動産の業務を知り抜いているという点でREMETISは圧倒的です。我々はハウスメーカーなので、最終的には手がけた空間がどのくらいバリューアップできたかというのが大事なところです。今後は、建築的なアプローチと数字が連動するようなバージョンアップがあると嬉しいかなと思っています。

橋本

賃貸管理にも使えるかも知れないですね。何百万件規模で管理している物件をひとつひとつ手入力せずとも、PDFをアップロードして済むわけですから。また、我々の業界というのは、マンション部署はマンション用地しか集めないし、戸建分譲部署なら戸建分譲用地しか集めないし、不動産投資部署なら投資物件しか集めない。できるだけ人に教えたくないというマインドが根強いのも要因の一つかと思いますが、REMETISはDX推進によりこうした状況に風穴を開け、オープンなナレッジのもと全社一丸となって価値ある事業を展開する契機を提供してくれるはずです。