迅速で精度の高い、
事業性判断を実現

​清水建設株式会社

清水建設株式会社は200年余の歴史を持つ大手総合建設会社です。越中富山の大工であった初代清水喜助が江戸・神田鍛冶町で創業して以来、歴史と伝統を重んじながらも常に時代の先駆者として日本の建設業界をリードしてきました。コーポレートメッセージは「子どもたちに誇れるしごとを。」。高度なエンジニアリング技術と商品開発力を武器に、次世代まで視野に入れたスケールの大きな事業展開を国内外で進めています。

投資開発本部 企画部 副部長

勝海貴浩 様

(写真中央)

投資開発本部 プロジェクト開発部

大森亮 様

(写真左)

投資開発本部 企画部

石井邦彦 様

(写真右)

価値ある情報をスピーディーに取得し、活用するために。不動産事業において、REMETISによるイノベーションが進んでいます。日本を代表する総合建設会社、清水建設株式会社様においても、そのポテンシャルは存分に発揮されているようです。今回は同社投資開発部門を支える3名の方々にインタビュー。REMETISの効果について語っていただきました。

課題

・物件概要書を手入力で、統一感なくリスト化
・公示情報の収集に膨大な時間がかかり、情報自体も属人化している

効果

・物件概要書の情報を、統一の項目でスムーズに登録
・客観的な公示情報をスピーディーに取得し、精度の高い収益性検討を実現
・会議活性化、業務標準化、ペーパーレス化を推進

清水建設様の不動産事業と投資開発本部の概要をご紹介ください

勝海

バブル崩壊以降、長く続いていた不動産不況に対して、不動産証券化の動きが再び活発になり始めたのが21世紀の初頭でした。この潮流をチャンスと捉え、2002年に改めて立ち上がったのが投資開発本部になります。総合建設業として清水建設が培ってきた技術力、商品企画力や各部門の連携による総合力を強みに、開発、建設の一気通貫のプロジェクトを中心に展開しています。

石井

当本部の業務としては、当社の設計施工を前提に土地の取得検討を進め、設計部門が図面を作成した上で工事部門による見積書をもとに収支検討を行っていきます。そこで事業性がありそうだと判断した場合は、具体的に土地を購入し、若しくは借りた上でグループ総合力をバックボーンにした付加価値の高い開発と運営を進めていきます。

勝海

今後はBCPや省エネといった当社の技術力やエンジニアリング力を最大限に駆使しながら、オフィスを中心に、物流施設、ホテル、住宅といった幅広い不動産開発を積極的に推進していく予定です。

情報収集や管理について、REMETIS導入以前にあった課題を教えてください

勝海

土地を検討するための情報をどのように取得していくか。会社によって様々なスタイルがあると思いますが、当本部の場合、仲介会社等を経由した外部情報の取得に加えて、200年間にわたり本業で培った営業のネットワークを活用した情報取得とそれに基づく案件創出が主要なモデルケースとなります。また、土地区画整理事業の造成工事に携わる土木部門からの情報が、物流施設開発の起点となる場合もあります。我々も社内ネットワークを重要視し、営業担当者と常にコミュニケーションをとりながら、上流段階における密な情報共有を日頃からはかっています。しかし、ここに大きな課題がありました。

石井

「結局、そうして集めた膨大なデータをどうやって共有し、管理するのか」という問題ですね。従来は、営業ルートなどから得た情報を元に入手した物件概要書を、情報管理を行う企画部の担当者が一件一件Excelで手入力してリスト化。週1回の定例会議で紙にプリントアウトして共有していました。しかし、この方法だと担当者によって入力する情報の内容や量にばらつきが出てしまう。土地の所有者まで記入されたシートもあれば、表面的な情報に終始しているシートもある状態です。案件名の記入方法が統一されていないため、どのエリアの物件なのか資料をよくよく紐解かないとパッとわからないケースも多かった。また物件概要書の管理も原本1週間分を1つのPDFファイルにして保存していたため、閲覧したい情報をパッと参照するのが難しいという不便さもありました。さらに事業性の検討段階に入ってから悩まされてきたのが、公示情報の収集です。これらは利回りや開発事例など、物件が潜在的に持っている収益力の判断材料として必須ですが、中にはWeb上では集めきれない情報もあり、その収集には大変な手間とコストがかかっていました。

大森

Web上に欲しい情報が見当たらない場合、情報を持っていると思われる不動産屋さんや仲介会社を探したり、コンサルタントに費用を払って情報を提供してもらうことになります。しかし結局、詳しい人が見つからなかったり、コンサルタントにかかるコストの高さの問題から、情報の収集自体を途中で諦めてしまうこともありました。

課題解決に向けて、REMETIS導入を決めた理由を教えてください

石井

当初はExcelベースの管理を地図ベースでの管理に移行することを考えていました。そのために様々なシステムの検討をしていたタイミングで、当社のベンチャー投資部門がある「次世代リサーチセンター」からREMETISというサービスがあることを教えてもらったのが、検討のきっかけです。最初に直感的に便利そうだと思ったのは、物件概要書のPDFを自動的に読み込んで、データ化してくれる点です。これならExcel管理の手間や情報の担当者の入力によるばらつきといった問題を解決することができます。

また、他社のサービスと比較してみても、機能も登録項目も絞り込まれていて非常に使いやすそうな印象を受けました。詳細な情報を1から10まで網羅的に管理するようなシステムよりも、我々の業務の実際にフィットしているなと。さらに、REMETISは一つのサービスで、公示情報の収集までサポートしてくれる点も魅力でした。情報管理とともに情報収集の課題解決が一挙に図れる、我々にとってまさに一石二鳥のサービスでした。

REMETISを実際に使っていただいて、従来の業務にどのような変化がありましたか。

大森

事業性判断を左右する初期検討のスピードと精度が劇的に上がった点が、大きな成果だと考えています。事業性判断には、要は事業収支を組むということなのですが、まず初期投資をにらむ中で情報がしっかりあると、土地代は適正なのか、売主が言っている価格は取引事例も鑑みた時に適正なのかといった見極めが大切です。そんな時にREMETISで調べれば、すぐに確かな情報を確認できる。賃料の他にも、利回りや地価、開発事例など、これまで収集に苦慮し、属人性が高かった情報に頼る必要もない。売却の段階のシナリオを描くときにも、取引事例を見れば、その辺のストラテジーも組みやすい。こういったところまで、最初の段階で正確に素早く描くことができるのは非常にありがたいと感じています。

石井

週1回の定例会の質も高くなりましたね。物件概要書からの情報登録が随時簡単に行え、さらにPCやタブレットから会議前の段階で見ることができるので、参加者は事前準備を行い、余裕を持って会議に臨み、より内容の濃いディスカッションが行えるようになりました。

大森

私が所属するプロジェクト開発部は、REMETIS導入以降は基本的にペーパーレスになりました。メンバーは日頃からREMETISでデータ一覧を見ながら、会話をしている。これまでアナログなやり方にこだわっていた人たちを、デジタルに近づける効果があったと思います。

今後のREMETISに対する期待を教えてください

石井

今の話にも関連するのですが、不動産はこれまでデジタル化が遅れていて、情報も属人的で、なんとなく紙を多用するという風土をなかなか払拭できませんでした。私はデジタル化推進の鍵を握るキーワードは「標準化」だと捉えていて、報告書といった書類のフォーマットだけではなく、業務の水準や流れまでを含めて統一することが重要だと考えています。そういった意味でいうとREMETISは、当本部ばかりか当社全体においても業務標準化の入り口を切り拓いてくれるツールになるのではと期待しています。しかも、主観的ではない、客観的な情報に基づく確度の高い投資を支援してくれるツールとして、今後は我々のビジネスを一層サポートしてくれると考えています。

大森

事業推進にあたっては、我々はやはり商品企画の優位性をきちんと確保していきたい。物件に対してエリアに相応しい特徴を備えるために役立つような情報を、REMETISで取得できるようになると嬉しいですね。一方、私なりにREMETISの利用方法を工夫し、より便利な使い方を試行錯誤している最中でもあります。オススメは、航空写真との連動です。データ一覧の住所をコピーして、航空写真にのせてぐるぐる回しながら道路状況や日当たりなどを確認し、スタッフ同士で物件の評価について語り合う。ちょっとした仕事の雑談も弾みやすく、これからもいろいろな使い方を工夫しながらREMETISの潜在能力を引き出していきたいですね。

REMETISでは、航空写真も簡単に確認可能