圧倒的スピードの情報収集で、
不動産投資開発を加速

住友商事株式会社

2019年に創業100周年を迎えた、日本を代表する総合商社です。その不動産事業は国内商社トップクラスのアセットを保有し、オフィスビル、マンションから商業施設、物流倉庫、不動産ファンド運営まで幅広いビジネスを展開。物件開発から運用までをグループで一貫して手掛けるノウハウ、他の事業部との連携によるシナジーを生かしながら、グローバルなスケールで不動産の新しい価値を創出し続けています。

物流施設事業部長
生活資材・不動産本部 戦略事業投資チームリーダー

中本 昭人 様

(写真左)

不動産投資開発事業部
企画開発第1チーム 戦略事業投資チーム部長付

後藤 卓 様

(写真右)

情報がビジネス成功の鍵を握る不動産事業において、REMETISによるイノベーションが進んでいます。住友商事の不動産事業を最前線でリードするお2人にインタビューし、ご自身やチームと体感されたREMETISの力とその可能性について語っていただきました。

課題

・土地情報、関連情報の収集に膨大な時間がかかる。
・膨大な数の物件概要書の整理が追いつかない。

効果

・情報収集スピードのアップによる業務改善
・物件データベース構築による情報共有のスムーズ化
・会議効率、ディスカッションの品質アップ
・データ見える化による新規事業創出基盤の整備

住友商事様の不動産事業と、お2人が所属されている事業部の特徴を教えてください 

中本

総合商社として多くの人に認知されている当社ですが、大阪北港地帯の造成と隣接地域の開発を行う会社として設立されたことはあまり知られていません。不動産事業全体で保有するアセットは、国内外で約6,000億円。商社の中でも断トツの莫大なアセットは、創業以来100年にわたり受け継いできた「不動産業」としてのモノづくりの精神の結果であると考えています。私が所属する物流施設事業部では、土地取得と開発、テナント誘致から私募リートおよび上場リートの売却まで、長年培ったノウハウを活かしたトータルな物流ビジネスを展開しています。

後藤

不動産投資開発事業部では、商業施設やホテルといった収益不動産の開発を行っています。取得する新規物件数は物流施設事業部と合わせて、年間にして5〜6件に上ります。もちろん投資案件を決めるにあたっては、数百件もの物件を精査することになります。担当者が入手した情報を元に、チームや専門家と情報を共有しながら徹底した議論を重ね、最終的な投資物件を確定していきます。

REMETIS導入以前の業務課題について教えてください

後藤

大きく2つの課題がありました。1つ目は「情報収集に時間がかかる」点です。投資案件を絞り込むにあたり、案件会議が週次で開催されます。担当者は現地調査やインターネットなどから土地に関する情報を集め、そのポテンシャルを分析し、事業化が可能かどうかを検討した上で、会議に提案します。この情報収集にものすごく時間がかかり、担当者の大きな負担になっていました。

中本

しかも苦労して集めた情報を案件会議で共有する際は、「ブルーマップ」という地図に手書きで書き込むこともありました。住宅地図を綺麗にコピーして切り貼りして地図を作り、例えばマンション用地が出たらその部分に色を塗り、周辺のマンションの過去の取引価格やキャップレート、公示地価などを1つずつ書き込んでいくんです。プロジェクトの本質ではない、こうした作業に多くの時間を割かれるのは非常に歯がゆかった。

後藤

2つ目が「膨大な物件を整理し切れない」という課題です。我々のもとには仲介業者様からPDF形式の物件概要報告書が週に十数件送られてきます。これら全てをPCに入力してデータベース化できればいいのですが、情報収集に追われて、なかなか時間を捻出できません。こうした環境下で、情報が整理されていないがために、潜在力のある物件が数年間眠ったまま見逃されていた、というケースが多々ありました。

REMETISでは、PDFの物件概要書をドラッグ&ドロップするだけで簡単に登録

課題解決に向けて、REMETIS導入を決めた理由を教えてください

後藤

まず多様な情報の収集時間を短縮したいというニーズに対して、REMETISは収益不動産の取得、仕入れに必要な情報が全て網羅されている点が魅力的でした。欲しい情報が一元化されており、検索も容易なため、情報収集の手間を劇的に減らすることができる強い手応えを感じたわけです。膨大な物件整理という課題に対しては、PDFの物件概要書をドラッグ&ドロップするだけで簡単に登録できる点に惹かれました。登録後も見たい情報をすばやく検索でき、閲覧もしやすいので、待望の物件データベースが構築できると考えました。

REMETISを実際に使っていただいて、従来の業務にどのような変化がありましたか

後藤

感覚的には、物件を探したり情報を取りに行く手間は、半分ぐらいになったかなと思います。その結果、これまでデータ収集に使っていた時間を、ディスカッションやその他の時間にあてられるようになりました。

中本

REMETISを使って浮いた時間を、より創造的な仕事に割り当てられるようになったのは大きいですね。現在、私と後藤は開発業務と並行して、不動産部隊横断で新規ビジネスを創出する戦略事業投資チームのメンバーとして活動していますが、REMETISを利用することでさらに多くの時間をこの業務に振り分けられるようになっています。

後藤

情報収集だけではなく共有が楽になったことで、案件会議がスマートになり、その質が上がったことも見逃せません。以前はPCや紙など、各自バラバラの方法で提案していた資料が、今ではPC上でREMETISを開けば全て見える化されています。さらに膨大な数の物件がデータベースとして整理され、会議中でもすばやく、しかも地図と一緒に参照できるようになりました。その結果、1つの土地について議論する際も、前面の交通量を重視したり、人口動態や取引事例から検討したりするなど、REMETISで見える化された物件情報をベースに、多角的な視点からのより深い議論が可能になりました。

中本

データの見える化は、さらに副産物も生み出しました。新人や異動して間もない人でも進行中の業務を素早くキャッチアップできるようになったのです。議論が活発になると「あそこのあの物件」など指示語が飛び交うこともありますが、経験の浅い人が戸惑うようなこともなく、コミュニケーションがとても円滑になりました。

住友商事様ではデジタルトランスフォーメーション(DX)による情報活用を積極的に進められています。今後のREMETISに対する期待を教えてください

中本

情報共有とデータ活用が非常に重要な不動産事業において、DXの実現は今後の競争力拡大の鍵を握るテーマです。しかし、商社の中で先駆けてDXを推進すると表明している住友商事において、これまで不動産部門のDX化が遅れをとってきたのも事実です。REMETISは我々のDX化の軸となり、業務効率や生産性の向上とともに新規事業の創出を加速する起爆材になってくれるのではと期待しています。

後藤

これまでご紹介したように、REMETISの機能と使い勝手には大変満足しており、今後もフル活用していきたいと考えています。リクエストがあるとすれば、ディベロッパーが持っている情報と運営者が持っている情報は分野によって濃淡があるので、その差を埋めるサポートをしてくれると嬉しいです。エリア人口や推定される売上規模など、これまで運営側が強かった情報をREMETISがある程度見える化してくれるようになれば、より確度の高い物件選定や交渉ができるようになると考えています。